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河内長野で知る人ぞ知る名店として、頑固一徹に蕎麦を作り続けてきた「芦生」。蕎麦を打つ中本裕造(なかもと・ゆうぞう)さん、切り盛りする美恵子(みえこ)さん姉弟の「なんこめではお酒を飲みながらアテをつまんで、締めに蕎麦をさくっと。なんて男性の方が多いだろうな」という予想はあっさり裏切られた。女性率の高いこと、高いこと。
その女性達を虜にしたのは、産地も厳選した国産蕎麦だけを使い、毎日使う分だけ自家製粉、朝晩打つ十割蕎麦。こうばしい穀物の香りがふわりと立つ蕎麦は、つゆや薬味をつける前に、まずは岩塩など四種をブレンドした塩で味わって欲しいと言うのも納得だ。限定10食、秋に収穫した蕎麦の実を一月頃の厳冬期に極寒の清流にさらすことで、アクを抜き風味と甘味を増した蕎麦“寒ざらし”も、関西ではめったにお目にかかれない希少なもの。かつて信州・高遠藩が将軍家に献上したその蕎麦は、ほんのり緑色で力強さに驚く、まさに逸品だ。また通常、新蕎麦が出る手前の8月9月は、蕎麦の風味が落ちると言われているが、適切な温度で保管、挽きたてを使えばクオリティの高い蕎麦がキープできるというのが、近頃の蕎麦業界の常識。そのいつでも美味しい蕎麦も、「芦生」の看板のひとつだ。


そして、女性の心をとらえたものは、他にもまだある。そばがきをベースに野菜や蕎麦のかえしを加えたそばがきコロッケ。揚げ出し豆腐、蕎麦バージョンといったところの、そばがき揚げ。こちらも精米仕立てで、甘みのあるごはん。料理担当の美恵子さんが、「そばがきを作り過ぎて腱鞘炎になったこともある」ほど心を込めて作るアテは、どれもが素材の強さを感じる素朴な味わい。リピート率の高さが、人気の証拠である。蕎麦づくしでしっかり食事をという声に応えて、昼も夜もおまかせのコース仕立ても登場した。
「開店当初は河内長野のゆったりした時間から、なんばのスピードについていけない部分もありました。でも、焦らずきっちりと仕事を積み重ねることで、目指すところの蕎麦を味わってもらえるようになってきました。日々鍛錬です」。控えめな言葉と、その対極にある力強い蕎麦。一度、知ってしまえば虜にならずにいられないのだ。
| 寒ざらしそば 芦生 |
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| 電話 | : | 06-6644-2751 |
| 営業時間 | : | 平日 昼11:00~15:00 夜17:00~23:00(LO22:30) 土日祝 11:00~23:00(LO22:30) |
| 定休日 | : | 無休 |
| ※営業時間、定休日につきましては、都合により変更となる場合がございます。 | ||